オール電化住宅への引っ越し。電気にかかわる注意点
エコキュートのある住宅に引っ越すときの注意点
新しい住居にエコキュートなど (電気温水器)の設備がある場合は、引越しに際して注意点があります。一般的にエコキュートなどは、そのタンク内の水を空にした状態で住居の受け渡しがおこなわれます。このため、エコキュートの使用を再開するには、タンクを満水にし、その後あらためて加温して湯を沸かす必要があります。エコキュートの性能や大きさにもよりますが、通常であればこの過程には8時間ほどかかるので、引越しには事前の対応が重要です。
特に、住宅がオール電化で無い場合には、通電に注意が必要です。こうした住宅では分電盤のブレーカーを入れるだけで通電するものの、正しい手順で電源を入れないとエコキュートの故障原因となる可能性があるからです。
こうした理由から、通電の開始には電力会社に立ち合いを依頼することが重要です。通常、この立ち合いには予約が必要なことから、少なくとも引越しの3日前までに依頼しておくようにしましょう。こうした準備を適切にすることで、引っ越し時に設備やお湯が使えないといったトラブルを避けることができます。
料金プランに関する注意点
オール電化住宅では、電気料金プランのなかでも深夜割引をすすめられるケースが多くみられます。この理由はエコキュートの特性によるものです。エコキュートは深夜に規定量のお湯を沸かし、そのままタンクに貯めておく装置です。この際に要する電力は家庭全体で使われる電力の多くを占めます。こうした理由から、エコキュートを備えた住居では深夜割引のプランが得になるケースが多いのです。
このようにエコキュートの視点からみれば利点のある深夜割引プランですが、その一方で日中の使用料金は高額に設定されているため注意が必要です。たとえば、一日中、家族の誰かが在宅する家庭では、そのぶん日中の割高な電気料金で電気を使用することになります。こうした電気の使用形態と料金プランとのバランスについてよく検討することが、オール電化住宅では大切です。
停電すると使えなくなる
オール電化住宅では、IHヒーターやエコキュートなどをはじめ、家庭内の設備すべてが電気によって制御されています。このため停電のときには、これらすべてのインフラが機能しなくなります。
たとえば、夏場に冷蔵庫が使えないことは不便というだけでなく、衛生的な問題にもつながります。よって、オール電化住宅に限りませんが、近年では大きな災害が散発しているため、引っ越し後も万一に備えておくことが重要です。なお、こうした停電対策の一つとして、自動で電力供給が可能な蓄電池を導入することができます。新居にオール電化住宅を検討する場合には、このような電気に関連した注意事項をよく理解してから選択するようにしましょう。